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日本学術会議問題をわかりやすくイラスト付で解説!何がいけないの?

日本学術会議問題をわかりやすくイラスト付きで解説

2020年9月から、ニュースや新聞などで「日本学術会議」の言葉を見る日が多いですよね。

何やら日本学術会議と言う組織と菅首相の間で、「ある6名を会議に入れる・入れない」でちょっと問題になってるみたいです。

でもそもそも日本学術会議が何なのかわからない!

なんで菅さんは問題になってるの?

と言う方もたくさんいますよね。

そこで今回は、今話題の日本学術会議問題についてイラスト付きでわかりやすく説明していきたいと思います!

日本学術会議とはどんな組織?

まずは第一関門!

日本学術会議とは何かについて、解説していきますね。

日本学術会議とは

全国87万人いる科学者の代表たちが集まってできた組織。日本の化学を進歩を目的としている。

主な役割は、政府に化学的な意見を言ったり国際的な活動をしたり、科学者間でのネットワーク作りなど。

私たちに身近なところで言えば、「学校の授業方針などを決める文部科学省へも意見出しができる」と言うことです。

日本学術会議は文部科学省のご意見番のような役割もある

例えばこれまでにも「子どものための運動・スポーツ促進」や「理数科学研究での若手教育」など様々な分野で、文部科学省に意見出しをしてきました。

もちろんこれをどう教育に組み込むか・組み込まないかは、文部科学省が決めます。

つまり日本学術会議は文部科学省にとっていわゆる「公的なご意見番」のような立ち位置なんです。

さらに日本学術会議の会員は全て国家公務員となり、運営費はすべて国の予算(約10億円)で補われます。

そう考えると、日本中で注目されるのも理解できますよね。

日本学術会議のメンバーって、どう決めるの?

文部科学省にも意見出しができる国家公務員の集団なんて、なんだか凄い人たちの集まりですよね。

日本学術会は、様々な分野(人文・社会科学・生命科学・理学・工学)から210名の会員と連携会員と呼ばれるサブ会員約2000名で構成されています。

会員の人気は6年で、3年ごとに半数の105名が入れ替わるのが決まり。

日本学術会議の会員は内閣総理大臣が3年毎105名ずつ任命する

この3年ごとに入れ替わる105名を任命するのが、内閣総理大臣だと言われているのです。

今回の問題の根本的な部分にたどり着きましたね!

日本学術会議のメンバーはなぜ首相が任命するの?

ではなぜ、政府から独立した活動を行う日本学術会議のメンバーを任命するのが、内閣総理大臣なのでしょうか?

それは「日本学術法」という法律で「日本学術会議の会員は学術会議の推薦に基づいて、総理大臣が任命する」と規定されているからです。

日本学術会議の会員は推薦リストを元に総理が任命する

これによって今までずっと内閣総理大臣が、日本学術会議の推薦通りに会員を任命してきました。

日本学術会議で菅首相が任命拒否をした6名とは?

ただ今回問題となっているのは、「日本学術会議が推薦した105名のうち6名が除外されている」と言うこと。

ではこの6名とは、どんな人たちなのでしょうか?

日本学術会議問題をイラスト付きでわかりやすく解説
引用元:Twitter

  • 宇野重規(東京大学教授/政治思想史)
  • 加藤陽子(東京大学教授/日本近代史)
  • 松宮孝明(立命館大学教授/刑事法学)
  • 芦名定道(京都大学教授/宗教学)
  • 小沢隆一(東京慈恵会医科大学教授/憲法学)
  • 岡田正則(早稲田大学教授/行政法学)

名だたる肩書きを持つ人たちばかりですが、6名の共通点として挙げられているのが特定秘密保護法や安全保障関連などで「国の方針に反対している人たち」と言うことなんです。

つまり、菅首相が意図的に反政府思考の人々を排除しているのではないか、と言う意見が強まっているんですね。

日本学術会議が政府に「任命拒否するな」と言う2つの理由

なんとなく問題の争点が見えてきましたが、日本学術会議が具体的に問題視している項目は何なのでしょうか?

様々な意見はありますが、主に次の2つが挙げられます。

  • 人事介入で学問の自由が脅かされる可能性がある
  • 法律に違反している

詳しく見ていましょう!

①人事介入で学問の自由が脅かされる可能性がある!

日本学術会議は、国内外の学問のご意見番の役割を持つというお話がありました。

このご意見番のメンバーに政府が手を加える(人事介入する)ことで、日本の学問の自由が脅かされる可能性があると日本学術会議は主張しています。

②法律に違反している!

日本学術会議は、今回の問題が次の2つの法律に呈していると主張しています。

  • 日本学術法
  • 日本国憲法

「内閣総理大臣が日本学術会議の推薦によって任命する」とは、学術会議法7条2項によるもの。

つまり内閣総理大臣は日本学術会議の推薦に異論を言ってはいけないよ、と言う主張です。

日本学術会議の推薦通りでなければ法律違反?

また日本学術会議は「総理は憲法に書かれている天皇と同じで、形式的な任命権しか持たない。そのため任命は拒否できない」と主張しています。

憲法に書かれている天皇についての記載とは、

憲法第4条:天皇は、この憲法に定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する機能を有しない

によるもの。

天皇だって国政に介入できないように決まっているのだから、内閣総理大臣も独立した機関である日本学術会議の会員決めにおいても同様にするべきだ、と言う主張なんです。

これには意見も様々あり、「その通り違憲だ!」と言う人もいれば、「学術会議は公務員なのだから、国民代表の内閣総理大臣には裁量的な任命権がある」と唱える人もいます。

菅首相は任命拒否について何と言ってるの?

では菅首相は、日本学術会議の問題や主張について何と言っているのでしょうか?

2020年10月9日時点では、

2020年9月28日に初めて会員の推薦リストを見た時点で99名だった

と発言しています。

つまり「初めから今回除名の6名はリストになかった。自分はちゃんと推薦された99名の任命をしたんだ」と言うことですね。

菅首相は日本学術会議の推薦リストは99名だったと主張

しかしこれに対し日本学術会議は「絶対105名だった!総理に伝わる前に他の誰かがリストを改ざんしたんだ!」と主張しています。

その上、「105名のリストを見ていないなら、学術会議の推薦に基づいた任命ではないから法律違反だ!」とも言っています。

日本学術会議は推薦リストは105名だったと主張

これではどちらが本当のことを言っているのか、わかりませんよね…。

そうした中、2020年10月13日に日本学術会議の問題について新たな報道がされました。

しかし、時事通信社は12日、関係者からの情報として「政府の事務方トップである杉田副長官が首相の決裁前に推薦リストから外す6人を選別。報告を受けた首相も名前を確認した」と報じた。

続けて共同通信社も同日、政府関係者からの情報として「杉田和博官房副長官が内閣府の提案に基づき、任命できない人が複数いると、菅義偉首相に口頭で報告していた」と報じた。
出典:HUFFPOST

実は官房副長官・杉田和博氏が、日本学術協会の推薦リストを改ざんしていたのではないかと言う報道なんです。

日本学術会議問題をイラスト付きでわかりやすく解説

引用元:Twitter

そしてその事実を菅首相は知っていたのではないかと言う…。

その後の詳細については明確になっておらず、2020年10月26日に行われる菅首相の「所信表明」の臨時国会にて、何かしらの質疑応答がされるものと見られています。

ちょっと難しい話だと思いますが、国の予算で動いている将来の教育にも影響するような機関に人事介入が入ってしまっているのかもと思うと、所信表明で菅首相が何と答えるか気になりますよね。

新しい情報が入れば、追記していきたいと思います。

ご覧いただきありがとうございました。

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