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給付金のおかわりは?2回目の10万円給付あるか菅さんの発言を調査

菅義偉(すが よしひで)内閣総理大臣が「特別定額給付金10万円」の再給付を示唆したとして、世間では給付金再支給への期待が膨らんでいます。

1人10万円がまたもらえるかも知れないと思うと、何買おう!?と夢を見ちゃいますよね。

でもちょっと待ってください!

特別定額給付金10万円は、本当にもう一度給付されるのでしょうか?

今回は菅首相の発言を元に、特別定額給付金のおかわり(再給付)があるのかどうかをまとめました。

給付金のおかわりが絶対あるとは言ってない

引用元:すが義偉の「意志あれば道あり」

「給付金おかわり」が話題になったのは、2020年9月12日に行われた公開討論会(日本記者クラブ主催)での菅首相の発言が発端。

菅首相はまず、現在のコロナ禍での経済対策について次のように述べました。

  • 現在は雇用の維持と事業の継続を目的に、給付金や融資など取り組んでいる
  • これで収まらなければ、徹底して次の手を打っていきたい

これを受けた記者の「特別定額給付金の追加もあり得るか?」と言う質問には、

もちろん、必要であれば。政府としてはこのような状況ですから、しっかり対応していきたい、こう思っています。

と返しています。

つまり、「状況に応じて必要なら特別定額給付金を支給する」と言っているのです。

絶対支給するよ!というものではなく、「今やってることが駄目だったら考える」と、言うなれば一般論ですよね…。

給付金のおかわりって、どうしたら貰えるの?

では給付金のおかわり(特別定額給付金の再支給)は、どのような条件下で行われるものでしょうか?

菅首相は「今のままでは収拾がつかない」場合に、再支給を検討すると言っています。

具体的な条件が提示されていないので、1回目の給付を元に推測してみましょう。

前回1回目の給付にあたり、2020年4月17日の記者会見で安倍晋三前首相は次のように述べています。

緊急事態宣言を全国に広げ、全ての国民に協力をお願いする。長期戦も予想される中でウイルスとの戦いを乗り切るためには、何よりも国民との一体感が大切だ。その思いで、全国すべての国民を対象に、一律に1人当たり10万円の給付を行うことを決断した。
引用元:NHK政治マガジン

その上で1回目の給付金は、2020年5月1日決定の令和2年度第一次補正予算12兆8803億円のもと支給されました。

現在の第2次補正予算では、10兆円の予備費が計上されています。

「1人10万円の給付金おかわり」をするには全然足りないので、再度予算見直しのため閣議決定などいくつもの審議を行うことになります。

つまり給付金のおかわりが実施されるのは、

  • 新型コロナウイルスとの戦いが2020年4月と同等に長引きそうだと判断、または同等の経済損失があった
  • 再度国家予算の見直しが可決された

といった条件が揃ってからになるでしょう。

給付金のおかわりはリーマン・ショック時に無かった

もう一つ、過去の不況事例を元に10万円の2回目支給があるか考えてみましょう。

実は定額給付金は、2008年10月のリーマン・ショックを受けて2009年3月4日にも施行されています。

対象は「日本に住民票がある個人」や「短期滞在を覗く外国人登録制度の外国人」。

この時の給付額は、1人12000円(ただし65歳以上や18歳以下は20000円)でした。

当時の総理大臣・麻生太郎首相が総額2兆円規模の景気対策として発表したのが2008年10月8日で、実際の施行は2009年3月4日。

最終的に全ての市町村で給付が開始されたのは2009年5月28日ですから、コロナ・ショックにおける給付金の対応は早くなっているとも言えますね。

実はリーマン・ショックの給付金は、2回目の給付(おかわり)がありませんでした。

リーマン・ショックは回復までに時間がかかり「失われた7年」とも言われています。

それでも再給付が行われなかったのは、「給付金が使われずに貯金に回されてしまい、消費向上に繋がらなかったから」と言われています。

現在のところリーマン・ショックよりもコロナ・ショックの方が経済ダメージは少ないと言われています。

今回よりも給付額の少なかったリーマン・ショックでさえ2回目の給付が無かったのですから、政府が2回目の10万円支給に慎重になっている理由も見えますね…。

コロナでの1回目の給付金は皆何に使った?

ここで気になるところは、コロナ・ショックで1回目の給付金が支給された際、皆「貯金したのか」「消費に回したのか」ということですよね。

ニッセイ基礎研究所が2020年7月にまとめた「特定定額給付金10万円の使い道」アンケートでは、次のような結果が出ています。

ニッセイ基礎研究所が6月末に実施した調査によると、特別定額給付金の使い道は圧倒的に「生活費の補填」(53.7%)が多く、2位「貯蓄」(26.1%)、3位「国内旅行」(10.1%)。一方、「辞退」(2.1%)や「寄付」(1.5%)もわずかながら存在。
引用元:ニッセイ基礎研究所

2020年4月に施行された「特定定額給付金」の使い道は、約6割が消費(主に生活費)、3割弱が貯金という結果のようです。

給付額がリーマン・ショックは1万2000円、コロナ・ショックでの1回目は10万円で全然違いますから、消費か貯蓄か差が出るのは当然のような気もしますが、少し期待しちゃう結果ですねw

給付金のおかわりはいつ貰えるの?

「給付金のおかわりが必要だ」となった場合、どのくらいの期間で支給されるのでしょうか?

2020年4月施行の1回目の給付では、給付決定から実際の支給まで次のような経緯がありました。

令和2年度第1次補正予算の閣議決定

<10日後>
予算成立

<11日後>
オンライン最短受付開始
※郵送で申請書が届くまでに1ヶ月かかった自治体あり

<1ヶ月後>
実際の入金

つまり、最短でも補正予算が決まってから支給まで2ヶ月程度はかかっています。

おかわりの支給となれば、もう少し早くなる可能性はあります。

しかし現時点で菅さんは「今の手だけでは間に合わない時に考える」と言っているので、すぐに予算を検討するとも思えません。

給付金のおかわりは、少なくとも2021年以降の話と言えるでしょう。

給付金のおかわりは「すぐに10万円貰える」とは限らない

引用元:すが義偉の「意志あれば道あり」

特別定額給付金の再支給に関して、「そもそも支給される可能性は未知」で「時期も確定していない」ことがわかりました。

2020年9月12日公開討論会で菅首相は、支給する特別定額給付金の額が前回同様10万円とも言及していません。

2020年4月に支給が決まった前回の特別定額給付金でさえ、金額が確定するまで「収入が大幅に減少した世帯のみに一律30万円」などの経緯があり、紆余曲折しました。

次回本当に給付されるとしても、所得制限が入ったり10万円より少なくなったりと言った可能性はありそうです。


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